Letter

量子情報科学:閉ループ量子測定を使った光コヒーレント状態の識別

Nature 446, 7137 doi: 10.1038/nature05655

量子力学では、物理系の状態を正確に決定するのは、次の2つの理由により非常に難しい。まず、ハイゼンベルグの不確定性のため、1回の測定では測定対象である系についてごく限られた情報しか得られない。また、測定自身が測定対象の状態を変えてしまうため、いったん測定した系をさらに測定し直しても、それ以上の情報が得られない。量子測定で得られる情報を最大にしつつ、一方で擾乱を最小にする理論的方法は提案されているが、そのような最適測定法を実験的に実現するのは容易でないことが多い。量子情報理論で扱われる標準的な操作の多くは、重ね合わせ基底と量子もつれ測定に基づいており、有効な実験を行うにはこれらを高忠実度で実現する必要がある。本論文では、「シュレディンガーの猫状態」と呼ばれる微妙な量子重ね合わせではなく、リアルタイムの量子フィードバックを使って、光コヒーレント状態を識別する最適量子測定を実現できることを実証する。この方法では、測定の間、標的系を能動的に制御し、量子フィードバックを使って本来、準最適性能しか達成できない量子操作の出力統計を修正していくことにより、最適猫状態測定と等価な操作を実現できる。これにより、長らく不可能だった理論予測が確かめられ、パラメーター空間の自明でない領域の量子限界に達するフィードバック量子測定が実証される。

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