Letter 遺伝:酵母染色体の生物学的特性にかかわるタンパク質複合体の、遺伝子相互作用地図を用いた機能解析 2007年4月12日 Nature 446, 7137 doi: 10.1038/nature05649 タンパク質同士の機能的関係を明らかにすることは、細胞生物学のどの分野の解明にも重要である。タンパク質複合体の大規模な同定研究はこの目標に向けた重要な一歩にはなったが、個々のタンパク質間のあらゆる相互作用について、化学量論的性質や結合親和性、寿命が明らかになったとしても、タンパク質複合体間やタンパク質複合体内部での機能的関係は明らかにならないだろう。しかし、遺伝的相互作用からは、タンパク質間相互作用のデータではほとんど見えない機能面の情報を得ることができる。本論文では、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の染色体のさまざまな性質(DNA複製/修復、染色分体の分離、転写制御など)にかかわる743個の遺伝子について、遺伝的相互作用を定量的ペアワイズ測定したデータからなるE-MAP(epistatic miniarray profile)を提出する。このE-MAPから、物理的相互作用が2種類に大別されることが明らかになった。すなわち、共通のある1つの機能を果たすために個々のタンパク質が同じ方向にまとまって働くものと、そうでないものである。したがって、遺伝的相互作用のデータによって、Mediatorなどの多タンパク質複合体を機能解析することが可能であり、異なったタンパク質複合体を分類して経路としてまとめることができる。今回1つの経路が判明し、Asf1に依存してヒストンH3のリシン56のアセチル化を行う、全く新しいタイプのヒストンアセチルトランスフェラーゼ群のメンバーとして、Rtt109が初めて見つかった。このようなアセチル化修飾が起こると、カリンRtt101を含むユビキチンリガーゼ複合体が、DNA複製の際にゲノムの完全性を保つことができるようになる。 Full Text PDF 目次へ戻る