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構造生物学:結合タンパク質と複合体を作っているABCトランスポーターの構造

Nature 446, 7132 doi: 10.1038/nature05626

タンパク質であるATP結合カセット(ABC)トランスポーターは、さまざまな基質の細胞膜を通過させる輸送を行っている。臨床に関連のあるABCエクスポーターは多様な疾患にかかわっており、癌細胞の多剤耐性を引き起こすなどするが、細菌のABCインポーターは、モリブデンのような希少元素などの栄養素の取り込みに必須である。ABCトランスポーターの輸送機構を詳しく解明するには、個々のコンホメーションの構造を高分解能で直接観察する必要がある。我々が最近報告した多剤排出ABCエクスポーターであるSav1866の構造からは、ATPが結合した状態では、膜貫通ドメインの外向きのコンホメーションがヌクレオチド結合ドメインの閉状態のコンホメーションと組み合わさっていることが示された。今回我々は、Archaeoglobus fulgidusのモリブデン酸トランスポーターと考えられるタンパク質であるModB2C2とその結合タンパク質(ModA)との複合体の、分解能3.1 Åでの結晶構造を報告する。ModBサブユニットの12本の膜貫通ヘリックスは内向きのコンホメーションを作っており、細胞膜の外側境界近くのゲートは閉じている。ATPを加水分解するModCサブユニットは、ヌクレオチドを結合していない開状態のコンホメーションだが、結合したModAでは、基質が結合する溝が輸送経路と推定される部位の入口と一列になるように配置されている。ModB2C2AとSav1866との構造比較から、これらのタンパク質では基質の接近と放出が交互に起こる機構が共通しており、ATPが結合すると外向きのコンホメーションをとり、加水分解産物が解離すると内向きのコンホメーションをとると考えられる。

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