Letter

脳:海馬での再マッピングと嗅内皮質でのグリッド再配置

Nature 446, 7132 doi: 10.1038/nature05601

多くの連想記憶ネットワークにおける基本的な特性の1つに、情報を保存する前に重複する入力パターンの関連づけを解消する能力がある。海馬では、このニューロンのパターン分離が、海馬への知覚入力や動機づけ入力の変化に応じた場所細胞集団の広汎な「再マッピング」傾向として表れる。再マッピングは、一部の条件の下では安定な場所コードでの発火率の変化という形で表れ(「発火率再マッピング」)、その他の条件下では発火の場所も発火率も統計的に無関係な新たな値をとるような海馬の場所コードの完全再編成という形で表れる(「全体再マッピング」)。本論文では、海馬での再マッピングの特性が、海馬より1ステップ上流のシナプスにあたる内側嗅内皮質の場所選択的グリッド細胞の集団的動態から予測できることを示す。発火率再マッピングが安定なグリッド受容野と相関していたのに対し、全体再マッピングは常にグリッド細胞の最大発火点の座標移動を伴っていた。共局在する内側嗅内皮質細胞からなるグリッド受容野は、この再マッピングの間に協調して移動または回転した。海馬では場所細胞がコード化する環境特異的な場所表現にさまざまな形があるのに対し、グリッド細胞の局所的集団は一定の空間位相構造を維持しており、それによって動物は、遭遇するすべての環境で同一の変換機構によって空間位置を表現し更新することが可能になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度