Letter 物理:2チャンネル近藤効果の観測 2007年3月8日 Nature 446, 7132 doi: 10.1038/nature05556 固体物理学における最も興味深い問題のいくつかは、1個の電子の運動が周囲にある電子の運動に急激で大きな影響を及ぼすときに生じる。従来、そのような強相関電子系は、主として複雑な化学的性質をもつ遷移金属を含む材料について研究されてきた。この10年間で、1個または数個の電子をナノメートルスケールの半導体「人工原子」内に閉じ込め、この単純な系を詳細に解明し制御することが可能となった。今回我々は、人工原子を組み合わせて、ナノ加工された半導体構造内に強相関電子系を作り出し、別個の2状態間の量子相転移を通してこの系をin situで調整した。2つの状態はいずれも、束縛電子が周囲の可動電子と相互作用している近藤状態の一種である。これらの競合する近藤状態間の境界は、量子臨界点、すなわち、2つのリザーバー内の電子が単一局在スピンとの相互作用を通してもつれ合っている、エキゾチックでこれまでとらえられなかった2チャンネル近藤状態にあたる。 Full Text PDF 目次へ戻る