Letter 物理:乱れた2次元フォトニック格子における輸送とアンダーソン局在 2007年3月1日 Nature 446, 7131 doi: 10.1038/nature05623 固体物理学で最も興味深い現象の1つは、乱れた格子中に置かれた電子が動けなくなるアンダーソン局在である。局在の原因は、電子がポテンシャル中のランダム欠陥から受ける多重散乱どうしの干渉であり、その固有モードは、広がった状態(ブロッホ波)から指数関数的に減衰する局在状態へと変化する。その結果、物質は伝導体から絶縁体に変化する。アンダーソンの業績は1958年にさかのぼるが、強い局在は原子結晶ではいまだに観測されていない。なぜなら局在は、ポテンシャル(周期格子とそれに重なった揺らぎ)が時間依存性をもたない場合にしか起こらないからである。しかし原子結晶では、熱励起されたフォノンと電子間相互作用のために、アンダーソンモデルからの本質的なずれが常に生じている。アンダーソン局在が干渉による波動現象であるという理解のもとに、これらの考えは光学にまで拡張された。実際これまでにも、弱い局在効果および強い局在効果は共に、ランダムに分布する光散乱体(典型的なものは誘電体の粉末や懸濁液)の透過特性の研究により実験的に示されている。しかしこれらの研究では、ポテンシャルは完全にランダムであり、周期的ポテンシャル中の「凍結」した揺らぎという、アンダーソンのモデルで仮定しているようなものではない。本論文では、摂動を受けた周期ポテンシャルでアンダーソン局在を実験的に観測したことを報告する。これは、2次元フォトニック格子上でのランダムな揺らぎによる光の横方向の局在である。我々は、バリスティック輸送が乱れの存在下で拡散的になるようすや、より乱れの高いレベルではアンダーソン局在への移行が起こることを示した。また、非線形性がアンダーソン局在に及ぼす影響を調べた。アンダーソン局在は普遍的な現象であり、本論文で示した考えは、ほかの系(例えば物質波)にも当てはまるだろう。これにより、長らく探求されてきた基礎概念を実験的に検証することが可能になるほか、乱れと非線形性の相互作用に関連するさまざまな興味深い問題が提起されるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る