Letter 顕微鏡法:原子間力顕微鏡法による個々の表面原子の化学識別 2007年3月1日 Nature 446, 7131 doi: 10.1038/nature05530 走査型プローブ顕微鏡法は、鋭い探針を用いて原子分解能で、表面物質の画像化、測定および操作を行う汎用性のある強力な方法である。低温では、走査型トンネル顕微鏡法によって、吸着分子の振動特性および磁性不純物原子の電子的特性の「指紋」としての役割を果たす電子トンネルスペクトルも得ることができ、それによって化学識別が可能となる。しかし多くの場合、特に絶縁体系では、表面やナノ構造体の正確な化学組成決定は依然として大きな課題である。この問題は、原理的にはダイナミックモード原子間力顕微鏡によって克服できるはずである。それは、ダイナミックモード原子間力顕微鏡は探針と表面原子との間で化学結合が起こるときに働く短距離力を検出し精密に測定することによって、絶縁体、半導体、金属表面を真の原子分解能で画像化でき、この短距離力は関連原子の化学的素性に敏感に依存するからである。今回我々は、そのような短距離の化学結合力の精密測定について報告し、化学結合力が用いられた探針に依存するという問題が規格化の手順を通して克服できることを示す。これにより、室温であっても、化学結合力の測定を原子識別の基準として用いることが可能となる。我々は、この方法の有効性を、シリコン、スズ、鉛の3原子種が混在した特にむずかしい合金系表面を画像化し、それぞれの原子を識別することによって示す。これらの3原子種は、化学的特性が非常に類似しており表面位置選択性が同一であるため、凹凸測定による識別は不可能である。 Full Text PDF 目次へ戻る