Letter p63は減数分裂休止中の雌の生殖細胞系列を保護する 2006年11月30日 Nature 444, 7119 doi: 10.1038/nature05337 哺乳類雌の生殖細胞系列における減数分裂は、相同染色体の組み換えと排卵の間の減数第1分裂前期での長期間の休止を特徴とする。このような休止している卵母細胞で、どのようにしてDNA損傷を発見するかについてはほとんど明らかにされていないが、哺乳類の主要な腫瘍抑圧因子であるp53が関与しているという考え方もある。体細胞のゲノムに対するp53の監視機能は明確であるのに対し、生殖細胞系列の完全性に対するp53の重要性に関しては、いまだに見解が一致してはいない。本論文では、p53と相同なp63のアイソフォームであるTAp63が、減数分裂の休止中に雌の生殖細胞で構成的に発現しており、p53が関与しない卵母細胞のDNA損傷によって誘発される細胞死の過程に不可欠であることを示す。さらに、DNAの損傷がp63のリン酸化およびp53と同種のDNA部位への結合の両方を誘発し、それが卵母細胞死に関連することを示す。今回の結果は、p63はp53ファミリーの原始的メンバーで、雌の生殖細胞系列の完全性を監視する保存された過程で働くのに対し、p53の機能は脊椎動物体細胞の腫瘍抑制に限定されるというモデルを裏づけるものである。これらの知見は、雌の生殖細胞系列における忠実性、受胎能の調節、および腫瘍抑制機構の進化に対する理解に役立つものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る