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睡眠中の緩徐振動の補強は記憶を増強する

Nature 444, 7119 doi: 10.1038/nature05278

新しい記憶の長期固定に睡眠が寄与することについては有力な証拠が得られている。睡眠のこの機能には、緩徐な(<1 Hz)電位振動が関係しているとされる。この振動は主として新皮質の前頭前野から起こり、徐波睡眠を特徴づけるものである。しかし、脳電位の振動は、ニューロンネットワークの同期的活動(構成するニューロンの膜・シナプス過程を時間を合わせて結びつける)を反映した単なる付帯現象だと広く考えられている。脳電位やそれと等価の細胞外からの刺激が生理学的意味をもつかどうかは明らかでないが、これは問題となる細胞外振動電位場を引き起こすことにより、容易に調べることができる。今回、健常な被験者で夜間の寝入ってまもない時間のノンレム睡眠期、つまり徐波睡眠の発生期に、0.75 Hzの電位振動を経頭蓋的に与えることで、緩徐な脳電位振動に似た電位場を誘発したところ、海馬依存的な陳述記憶の保持が強まったことを報告する。緩徐振動電位刺激を行うと、徐波睡眠や内在的皮質緩徐振動や前頭前野の緩徐紡錘波活動に、即時増加が引き起こされた。しかし、5 Hz(レム睡眠期に通常優位になるもう1つの振動数帯)での振動刺激は、内在的緩徐振動を減らしたが、陳述記憶には変化がなかった。これらの知見は、内在性の緩徐電位振動が、睡眠に付随する記憶固定の原因となる役割を果たしており、この役割は皮質の細胞外空間に電場効果を与えれば強化されることを示している。

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