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過去千年間のメキシコ湾流の密度構造と輸送量

Nature 444, 7119 doi: 10.1038/nature05277

メキシコ湾流は、約31 Sv(1 Sv = 106 m3s-1)の海水と1.3×1015 Wの熱を北大西洋に運んでいる。湾流の熱輸送量に急激な変化が起こる可能性は、今後数世紀の気候変動を予測するうえでの重要な不確定性の1つである。計器を用いた観測記録が得られている期間が限られているので、長い時間スケールでのメキシコ湾流の挙動についての知識は、地質学的な古記録からの情報に大きく依存せざるをえない。本論文では、フロリダ海峡由来の一組の高分解能の堆積物コアから得られた有孔虫を用いて、メキシコ湾流の流れを横切る密度勾配と流速の鉛直シアが小氷期(1200年ごろ〜1850年)を通じて系統立って低かったことを示す。また小氷期の体積輸送は、今日より10パーセント少なかったと推定される。流量が減少するタイミングは、いくつかの古気候記録の温度最低期と一致しており、このことは、海洋の熱輸送量の減少が北大西洋における小氷期の冷却に寄与していた可能性があることを示している。低流量の期間もメキシコ湾流の海面塩分が異常に高い時期と一致しており、過去千年の間、大西洋循環と水循環の間に強い結びつきがあったことを示唆している。

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