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がん遺伝子によって誘導される老化はDNA損傷チェックポイントによる腫瘍発生障壁の一部である

Nature 444, 7119 doi: 10.1038/nature05268

最近の研究から、前腫瘍病変の腫瘍への進行を遅らせる、あるいは阻害する腫瘍発生障壁の存在が示されている。そのような障壁の1つがDNA複製ストレスであり、これはDNA損傷チェックポイントを活性化して、その結果、アポトーシスあるいは細胞周期の停止を引き起こす。一方、2つ目の障壁はがん遺伝子が誘導する老化を介している。この2つの障壁間の関係は、たとえあったとしても明らかにされていない。本論文では、がん遺伝子が誘導する老化は、DNA複製フォークの中途終止やDNA二本鎖切断などのDNA複製ストレスの兆候と関連していることを示す。DNA二本鎖切断に応答するキナーゼであるATM(ataxia telangiectasia mutated)を抑制すると、老化の誘導が抑制され、マウスモデルでは腫瘍のサイズや浸潤性の増大がみられた。ヒトの前がん病変部の解析から、DNA損傷と老化マーカーが密接に共分離することも示された。したがって、ヒトの前腫瘍病変部における老化は、がん遺伝子が誘導するDNA複製ストレスの発現であり、アポトーシスと共に、悪性化に対する障壁となる。

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