Letter 工学:水中での境界潤滑 2006年11月9日 Nature 444, 7116 doi: 10.1038/nature05196 摩擦面が単分子層で被覆されている境界潤滑は、50年以上にわたって広く研究されてきた。そのような単分子層は、通常、極性頭部基で固定された両親媒性界面活性剤で構成されている。摺動はそれらの層の界面で起こるため、摩擦が減り、特に単分子層の下の基材の磨耗が低減する。工学用途で広く普及しているこのプロセスは、リン脂質膜を介した生体潤滑でも起こると予測されている。しかし、水中環境における界面活性剤層間の摩擦に関する系統的研究はわずかしか行われていない。今回我々は、界面活性剤単分子層に覆われた2面間に摺動が起こるときの摩擦応力は、水に浸漬すると、空気(または油)中の摩擦応力値の1パーセント以下にまで減少しうることを示す。我々は、この現象を、界面活性剤層間から界面活性剤/基材界面へのすべり面のシフトによるものと考えている。したがって、摩擦低下は、基材に結合した極性頭部基周囲の流動性水和層に起因するものと考えられる。これらの結果は、将来の工学的応用および生物医学的応用に影響を及ぼす可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る