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宇宙:月の南極に氷の厚い堆積が存在する証拠はない

Nature 443, 7113 doi: 10.1038/nature05167

月の南極に位置するシャクルトン・クレーターは、バイスタティック・レーダーの偏波特性のモデル化と地球上からのレーダー観測で得られた以前の画像の解釈に基づいて、水氷の凝縮堆積物が存在する可能性があると考えられてきた。こうした説や、ほかの地形学的にコールド・トラップとなる領域についての同様の仮説は、将来の月面着陸計画にとって重要な要素である。水素の濃集が極域で確認されているが、これらのデータはホスト物質、あるいはその局地的な分布が確定できるものではない。地球上に設置されたレーダーからの以前のデータは、解像度やカバーする領域が不足しており、永久陰になった領域のコールド・トラップや小さなクレーターの壁面や放出物のような局所的な地形の特徴とレーダー散乱の特性との間の関係を詳細に研究することができない。本論文では、20 m の解像度で波長13 cm の新しいレーダーによる画像を示し、南極のシャックルトン・クレーターやほかの場所に水氷の凝集堆積物の存在する証拠がないことを明らかにする。太陽系内の氷で覆われた表面からの反射と関係づけられることが普通である偏波特性は、観測されたすべての緯度で見いだされ、シャクルトン・クレーターの内壁を含めて、若いクレーターの岩だらけの壁や放出物と強い相関がみられる。偏波特性と太陽照射の強さとの間には、何の相関関係もみられない。もし、ルナー・プロスペクター周回機によって観測された水素の濃集が水氷の存在を示すのであれば、我々のデータは、氷が月の表土中に散在した粒子としてのみ存在するという考えと両立する。

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