Letter 安山岩質火山直下で減圧によって引き起こされる結晶化によるマグマの加熱 2006年9月7日 Nature 443, 7107 doi: 10.1038/nature05100 爆発的な火山噴火は、珪長質マグマからのH2Oに富んだ蒸気の離溶によって引き起こされる。爆発の動態には、核生成や気泡の成長、結晶化の間の複雑な相互作用が含まれており、マグマが火山の真下から上昇する間に、その物理的特性に極めて非線形的な変化が生じる。このため、爆発性火山活動のモデル化はむずかしく、結局のところ予測は困難である。未知の重要事項は、マグマが途中でガスを失ったり結晶化したりしながら、火山下の系を通って上昇する際のマグマの温度変化である。脱ガスするが結晶化しないマグマの熱力学的モデルは、冷却と加熱の両方が起こりうることを示唆している。これまで、地表下数キロメートルを移動するマグマの温度変化追跡が困難であったため、冷却と加熱のどちらが起こるかを見積もることはできなかった。本論文では、斜長石の結晶に閉じ込められたガラス質のメルト包有物に関する最近の研究を拡張して、2つの安山岩質火山の真下にあるマグマの圧力‐温度‐結晶化度の推移を追跡する手法を開発した。メルト包有物中の溶存H2Oを用いて包有物が封入されたときのH2Oの圧力を絞り込み、液相濃集微量元素濃度を用いて当該マグマの結晶化度を計算し、そして斜長石‐メルトの地質温度測定により温度を決定した。これらのデータは、チタン鉄鉱‐磁鉄鉱の地質温度測定と共に、結晶化における潜熱解放により、上昇するマグマの温度が最大で100℃増加することを示している。この加熱によって、安山岩質マグマに共通してみられるいくつかの組成的特徴を説明でき、これらの特徴が噴出前のマグマの混合に起因すると考える説は誤っている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る