Article 編集機能に欠陥のあるtRNA合成酵素は、タンパク質の誤った折りたたみと神経変性を引き起こす 2006年9月7日 Nature 443, 7107 doi: 10.1038/nature05096 神経変性などのいくつかの病気には、誤って折りたたまれたタンパク質が関係している。誤って折りたたまれたタンパク質の中には、疾病に関連するタンパク質をコードしている遺伝子の変異の結果生じるものもあるが(反復配列の伸長による病気などの場合)、誤って折りたたまれたタンパク質がニューロン中に出現するより一般的な仕組みについては、ほとんど解明されていない。本論文では、誤ったアミノ酸と結合した転移RNA(tRNA)が少量でも存在すると、誤って折りたたまれたタンパク質の蓄積がニューロン内で起こりうることを明らかにする。このような蓄積に伴って、細胞質タンパク質のシャペロンの発現が増加し、折りたたまれていないタンパク質に対する応答が誘導される。マウスのsticky変異では、小脳のプルキンエ細胞が失われて運動失調が起こるが、これはアラニルtRNA合成酵素の遺伝子編集ドメインのミスセンス変異であることがわかった。この変異により、合成酵素がtRNAをアミノアシル化する際の校正機能が働かなくなる。今回の知見によって、最終分化したニューロンで翻訳の正確度が下がると誤って折りたたまれるタンパク質が蓄積して細胞死につながることが実証され、神経変性の原因となる新しい機構が見つかった。 Full Text PDF 目次へ戻る