Letter 剪断流における乱流持続時間は有限である 2006年9月7日 Nature 443, 7107 doi: 10.1038/nature05089 流体の運動は、低速度では滑らかで層流であることが普通だが、速度が増加すると秩序が大幅に乱れて乱流となる。層流から乱流への遷移には、一連の不安定性がかかわっていて、これらによって系が次第に複雑な状態となったり、あるいは遷移が突然起こったりすることもある。いったん遷移が起こると、定常条件下では、乱流状態は無限に続くものと一般的に考えられている。直管内を流れ下る流体では、層流から乱流運動へと突然遷移する剪断流の一般的な例がみられる。比較的遅い流速では、管内の乱流は過渡的なものであり、持続時間は指数関数的な分布をするという特徴をもつことが、大規模な計算および実験的研究によって明らかにされている。また、レイノルズ数がある臨界値を超えると、持続時間は発散し(すなわち無限に長くなり)、過渡的な乱流から持続的な乱流へと変化すると考えられている。本論文では、20例以上の持続時間を対象とする実験データと数値計算から、持続時間が実際には発散せずレイノルズ数と共に指数関数的に増加することを示す。このことは、管内の乱流が(通説に反して)過渡的事象にすぎないこと、また乱流状態と層流状態は力学的に結びついていることを意味しており、ここから乱流制御の方法が考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る