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小惑星25143番イトカワの表面にみられる進行中の宇宙風化作用

Nature 443, 7107 doi: 10.1038/nature05073

普通コンドライト(隕石で最も豊富なタイプ)の母天体は、意外にも小惑星間に豊富にあるようには見えない。考えられる説明の1つは、母天体の表面が光学的に変化し、主小惑星帯に豊富に存在するS型小惑星になるというものである。この過程は「宇宙風化作用」とよばれ、母天体の可視および近赤外の反射スペクトルを暗くし、赤化させる。近地球小惑星の最近の探査結果は、小さなS型小惑星の表面が、宇宙風化作用の進行しつつある段階にある可能性を示している。本論文では、小さな(直径550 メートル)小惑星25143番イトカワの表面にみられる暗い領域が、隣接する明るい領域よりもかなり宇宙風化作用を受けていることを報告する。この両領域のスペクトルは共に、連続スペクトルを除去すると、LL5-6型コンドライトのスペクトルと一致する。簡単な計算から、暗い領域は明るい領域よりも平均光路長が短く、体積で約0.04パーセント程度金属鉄ナノ微粒子が多いことがわかる。このことは、宇宙風化作用を受けた物質が、LL型コンドライトの母天体と考えられる小さな小惑星に蓄積していることをはっきりと示している。LL型隕石は、普通コンドライト(H、L、LL型)の中では存在度が最も低いため、地球近傍の軌道に普通コンドライトの組成をもつ小惑星が多く存在すると考えられる。

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