Letter 体細胞生殖細胞間の相互作用はショウジョウバエの生殖巣における恒常性と成長を統合する 2006年9月7日 Nature 443, 7107 doi: 10.1038/nature05068 肝臓やリンパ系などの器官が、自己の大きさを維持したり、損傷後に元の大きさに回復したりする能力については、多数の報告がある。しかしながら、その均衡が破られたことをこれらの器官がどのようにして感知するのか、また恒常状態に達したとき、どのようにして変化を停止させるのかについては、ほとんどわかっていない。正常発生においても同様に、ある器官の中で異なるタイプの細胞が成長をどのようにして統合させているのかは不明である。本研究で我々は、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の生殖巣の発生において、始原生殖細胞(PGC)の増殖とそれらに接した体細胞(intermingled cell、IC)の生存が、正と負のシグナルから成るフィードバック機構を介して調節されていることを示す。PGCはEGF受容体(EGFR)のリガンドで、ICの生存に必要とされるSpitzを発現している。一方、ICはPGCの増殖を抑制する。したがって、幼虫の卵巣における体細胞と生殖細胞間の恒常性と成長の統合は、EGF受容体を介したICの生存によって示されるPGC数の感知と、それに連動したPGCの増殖を抑制する修正機構によって行われている。このフィードバックループによって、幼虫発生の終わりに形成されるすべての幹細胞ニッチを、十分に満たせる数のPGCが確保される。同様のフィードバック機構が、増殖や再生、恒常性の調整に一般的に使われているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る