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植物で世代を越えて伝わるストレスの記憶

Nature 442, 7106 doi: 10.1038/nature05022

植物は、移動することができないために、多数の環境ストレスに絶えずさらされており、一連の応答によってそれに対処している。その結果植物は、光や水、塩類、温度などが過剰であったり不適当であったりする場合にも耐性を示し、また病原体に対する抵抗性をもつ。植物は、非生物的または生物的なストレス条件下で生理学的変化を起こすことが知られているだけでなく、ゲノムでの変化も見つかっている。しかし、ストレスを受けた植物の子孫が、何世代にもわたってゲノム変化機能を受け継ぐのかどうかは解明されていなかった。本研究では、短波長照射(紫外線C)またはフラジェリン(植物の防御応答を誘導するエリシター)処理したシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、導入遺伝子レポーターの体細胞相同組み換え頻度が処理群で高くなり、この高い相同組み換えレベルが未処理子孫世代でも維持されることを明らかにする。相同組み換えの頻度上昇というエピジェネティックな形質は、母系、父系いずれの交配親からも受け継がれると考えられ、優性であることが実証された。処理を受けた世代の子孫が示す高頻度組み換え状態の増進は、処理を受けた植物に導入した対立遺伝子(対象とした組み換え基質)の存在には依存しなかった。我々は、環境要因は遺伝的柔軟性を増大させ、それは処理を受けない子孫世代でも維持されており、適応能を高めている可能性があると結論する。

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