Letter 刺激応答性ヒドロゲルによって駆動される適応型液体マイクロレンズ 2006年8月3日 Nature 442, 7102 doi: 10.1038/nature05024 人間の眼はコンパクトな構造であるにもかかわらず、毛様体筋でレンズの形を調節することによって、異なる距離に容易に焦点を合わせることができる。これに対して、従来の人工光学系は、使用レンズを物理的に移動させることにより焦点合わせを行っている。しかし近年、小型化技術の進歩によって、光学性能の調節に複雑な機械系を必要としない光学系が得られている。これらの光学系は、フォトニクス、ディスプレイ、生物医学に幅広く用いられてきた。こうした系は、固定焦点距離のマイクロレンズ・アレーをベースとしているか、外部制御を使ってマイクロレンズの焦点距離を調節している。この興味深い例が、エレクトロウェッティングまたは外部圧力で液滴形状を操作して光学特性を調節する可変液体レンズである。本論文では、自律的な焦点調節が可能な液体レンズシステムについて述べる。この系の主要構成要素は、マイクロ流体システムに組み込まれ液滴の容器としての役割を果たす、刺激応答性ヒドロゲルである。このヒドロゲルは刺激の存在を感知すると同時に、液滴形状を調節し、焦点距離を調節する。イオン拡散と表面張力が都合よく同程度であるマイクロメートルスケールで作動させることにより、固定した液体-液体界面を使用して安定したデバイスを得ることができ、10〜数十秒という応答時間を実現できる。−∞〜+∞(発散および収束)の焦点距離を実現できるこのマイクロレンズは容易に集積してアレーにでき、センシング、医療診断、ラブ・オン・チップ技術などに使用できる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る