Letter 極低温フェルミ気体における超流体相転移の直接観察 2006年7月6日 Nature 442, 7098 doi: 10.1038/nature04936 相転移は大きな変化を伴う現象であり、例えば水は凍って氷になり、磁性体では原子スピンの方向が自発的にそろい、液体ヘリウムは超流体になる。ふるまいのこのような大きな変化には、場合によっては目に見える外見上の変化が伴うことがある。トラップされた、弱く相互作用するボース気体のボース‐アインシュタイン凝縮と超流動を示す際立った特徴は、熱雲内部に高密度の中心コアが突然できる現象である。しかし、最近観測されたフェルミオン超流体のような強く相互作用する気体では、この雲の超流体部分と常流体部分の間にもはや明瞭な境界が存在しない。フェルミオン対凝縮を検出するには、弱く相互作用する領域まで磁場を連続的に変化させる必要があるが、この連続変化を定量的に記述するのは理論的にむずかしい課題である。本論文では、強く相互作用する6Liフェルミオン気体の超流体相転移を、その雲形状の急激な変化を通して直接観察した結果を報告する。この変化は弱く相互作用するボーズ気体の場合と完全に対応する。フェルミオン対形成にかかわる2つのスピン成分の量が等しくない混合体を用いることによって、超流体コアと常流体成分とのコントラストを大きく高めた。また、相互作用しない過剰な原子の分布は直接的で確実な温度計として使うことができる。常流体状態でも、強い相互作用のため大半を占めるスピン成分の密度プロファイルは大きく歪む。この強い相互作用によって、臨界数密度が70±5パーセントの不均衡値のとき、常流体‐超流体転移が引き起されることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る