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HSV-1の潜伏感染関連転写産物がコードするマイクロRNAの抗アポトーシス作用

Nature 442, 7098 doi: 10.1038/nature04836

マイクロRNA(miRNA)は小型のRNA分子で、標的となるメッセンジャーRNA(mRNA)の安定性や翻訳効率を調節する。単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)の潜伏感染関連転写産物遺伝子(LAT)は、ニューロンに潜伏感染中に発現する唯一のウイルス遺伝子である。LATはアポトーシスを阻害し、感染したニューロンの生存を促進することによって潜伏を持続させる。LAT遺伝子から作られるタンパク質は判明しておらず、LAT遺伝子がアポトーシスを防ぐ仕組みもわかっていない。本論文では、HSV-1のLAT遺伝子がコードするmiRNAが、アポトーシスに対する抵抗性をもたらすことを明らかにする。LAT遺伝子の断片を導入した神経芽細胞腫細胞は細胞死しにくくなる。この抗アポトーシス作用は1番目のエキソン中に存在することが明らかになっている。我々は、HSV-1LAT遺伝子のエキソン1の一部から作られるマイクロRNA(miRNA-LAT)を同定し、性質を明らかにした。LAT遺伝子断片を一時的に導入した細胞や野生型のHSV-1が感染した細胞では、このLATマイクロRNAが蓄積していることがわかった。この成熟miRNAを含む372ヌクレオチドの領域を欠失させた変異ウイルスは、感染細胞のアポトーシスを防ぐことはなく、またmiRNAも作らなかった。miRNA-LATが抗アポトーシス作用を示すのは、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-β1とSMAD3の発現を抑制することによる。これら2つは、どちらもTGF-β経路に機能的に関係している。今回の結果から、HSV-1のLAT遺伝子がコードするmiRNAは、TGF-βシグナル伝達系を調節することによって感染細胞におけるアポトーシス誘導を制御しており、したがって感覚ニューロンにおけるHSVの潜伏感染を持続させる働きをしていることが示唆される。

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