Article 成体マウスの排卵された卵母細胞は循環血中にない生殖細胞に由来する 2006年6月29日 Nature 441, 7097 doi: 10.1038/nature04929 生殖生物学の数十年間にわたる研究から、哺乳類の雌では、保有する生殖細胞のすべてが胎仔の発生の終わりに減数分裂に入り、その結果、出生後に卵巣が放出する卵母細胞の数は有限で、万一傷害や疾患によって失われても補充や再生はできないと一般的に考えられてきた。しかし最近の報告ではこの見解が疑われ、循環血中に存在する骨髄由来の生殖細胞が卵巣に絶えず供給され、それによって卵母細胞の産生が維持されていることが示唆されている。今回我々は、雌の受胎能と循環血中の細胞の生理学的な関連を直接検討するため、移植と並体結合を行ったマウスモデルを作成し、循環血中の骨髄細胞が排卵される卵母細胞を生成できるかどうかを、定常状態および損傷誘発後の2つの条件下で評価した。本研究では、骨髄細胞および血液中を正常に循環しているほかのいかなる細胞についても、成熟して排卵される卵母細胞の生成にかかわっていることを示す証拠は得られなかった。血流によって卵巣に移動した細胞は、血液中の白血球前駆細胞に特有な性質を示した。 Full Text PDF 目次へ戻る