Letter トラップされた原子気体のBerezinskii-Kosterlitz-Thoulessクロスオーバー 2006年6月29日 Nature 441, 7097 doi: 10.1038/nature04851 物質の状態はどんな場合にもその秩序に従って分類でき、ある物理系がどのような種類の秩序を見せるかはその次元数に強く影響される。強磁性体や結晶のような従来型の長距離秩序は、低温の三次元系で一般的である。しかし、連続対称性をもつ二次元系は、すべての有限温度において、真の長距離秩序が熱ゆらぎによって壊されてしまう。その結果、同一ボソンの場合、一様な二次元流体は三次元の場合と異なりボース・アインシュタイン凝縮を起こすことができない。しかし、この二次元系は「準凝縮体」を形成し、ある有限の臨界温度以下で超流体になることがある。Berezinskii-Kosterlitz-Thouless (BKT)理論ではこの相転移を、反対方向に循環する渦がペアを組んで生じるトポロジカル秩序の現れとして説明する。その臨界温度以上では、束縛されていない渦が増大すると予測されている。本論文では、トラップされたルビジウム原子の量子縮退気体でBKT型のクロスオーバーを観察したことを報告する。物質波ヘテロダイン法を使うと、準凝縮体の位相の長波長ゆらぎと自由渦の両方が観察される。低温では、この気体は系のサイズによって決まる長さスケールにわたってほぼコヒーレントになる。温度が上昇すると、長距離コヒーレンスが失われると同時に、自由渦の増大が起こり始める。今回の結果は、BKT理論の基礎となる微視的な機構を実験で直接確かめた証拠であり、また、メソスコピック系のコヒーレンスと超流動に関する新しい問題を提起するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る