Letter

自己阻害の起きないカルシウム活性化キナーゼにより根粒菌非依存的に形成される根粒

Nature 441, 7097 doi: 10.1038/nature04812

タルウマゴヤシ(Medicago truncatula)などのマメ科植物は、リゾビウム属の窒素固定細菌と相利共生関係を構築する。この共生は根粒という根の特別な器官で行われ、そこでは窒素固定に必要な条件がそろっている。リゾビウム由来のシグナル伝達分子であるNodは、共生の確立に必要である。植物がNod因子を認識するとCa2+振動(カルシウムレベルの周期的変動)が誘導されるが、このCa2+シグナルの変換にはCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CCaMK)をコードするDMI3が必要である。またCCaMKの調節には、キナーゼ活性を負に調節する自己阻害ドメインが重要となる。今回我々は、この自己阻害ドメインを特異的に除去することによって植物で根粒形成シグナル伝達経路が自己活性化し、細菌による誘発なしでも根粒が誘導されて根粒形成遺伝子の発現が起こることを示す。この自己活性化にはGRASファミリーに属する根粒特異的な転写調節因子が必要である。本研究は、カルモジュリンの結合後に起こるCCaMKの自己阻害の解除が重要なスイッチとして働き、これが根粒の形態形成を活性化するのに十分であることを実証している。根粒形成の誘導には単一の調節事象だけで十分であるという事実から、根粒形成を非マメ科植物に移入することの可能性がはっきりしてくる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度