Letter シリコンフォトニックチップによる広帯域光パラメトリック利得 2006年6月22日 Nature 441, 7096 doi: 10.1038/nature04932 シリコンによる光増幅器の開発は、シリコンオンインシュレーター(SOI)フォトニック集積回路の成功に不可欠である。最近、ラマン効果を利用して1 nm帯域幅の光学利得が得られたことから、ラマン発振器、無損失光変調、そして光学的に可変な遅い光が実現している。光通信の最大の強みは、情報の伝送と処理を波長多重チャネルで並列して行える点にある。しかし、ラマン利得の帯域幅は比較的狭いため、単一波長チャネルしか増幅、あるいは生成できない。もし、広い利得帯域幅がシリコンで実現できれば、波長チャネルのアレイの生成・処理につながり、高密度に集積したフォトニック回路に向けた重要な進展になるはずである。本論文では、適切に設計したSOIチャネル導波路における位相整合した4波混合という光学過程を介して、28 nmの波長領域にわたって得た正味のオン/オフ利得の結果を報告する。また、1,511〜1,591 nmの領域における波長変換も実証した。ピーク変換効率は+5.2 dBになった。これは、既存のSOI導波路における4波混合効率を20倍以上改善した結果になる。このような進展によって、高密度波長分割多重化を全シリコンフォトニック集積回路で実現することが可能になる。また、シリカファイバーの4波混合を使って実現されている全光学的遅延、全光学スイッチ、光信号再生器、そして量子情報技術に使う光源といったすべてが、今やSOIプラットフォームに移植可能となった。 Full Text PDF 目次へ戻る