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生後の上皮前駆細胞によって誘導される機能を備えた胸腺の形成

Nature 441, 7096 doi: 10.1038/nature04850

胸腺は自己寛容をもったエフェクターT細胞や調節性T細胞の発生に必須である。胸腺内T細胞の発生には、大部分が胸腺上皮細胞(TEC)からなる、無損傷の間質微小環境を必要とする。例えば、胸腺上皮細胞自体におけるforkhead box N1(Foxn1)や自己免疫調節因子(Aire)の遺伝的異常は、それぞれ原発性免疫不全症や自己免疫を引き起こす。発生の段階で、胸腺上皮の原基は皮質と髄質という2つの主要な区画を作り出す。皮質TECはT細胞の正の選択に関与するが、髄質TECは自己反応性となるT細胞の負の選択にかかわる。形態学的にも機能的にも異なるこれら2種類の上皮細胞が、どちらにも分化可能な共通の前駆細胞から発生するのか、また、そのような前駆細胞が生後にも存在しているのかに関しては長い間不明であった。本論文では、マウスのin vivo細胞系列解析により、皮質および髄質のTECに共通する前駆細胞が出生後にも存在することを示す。生後の前駆細胞の機能を調べるために、単一の上皮細胞について、in vivoFoxn1のコンディショナル変異対立遺伝子を野生型機能に戻した。その結果、正常な胸腺器官の発生を支持する、皮質および髄質領域を含んだ小型の胸腺小葉が形成された。したがって、単一の上皮前駆細胞から機能を備えた完全な胸腺微小環境を作り出すことが可能であり、このことは胸腺疾患に対する細胞をベースにした治療法の開発の可能性を示唆している。

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