Letter T細胞におけるSmad4シグナル伝達は消化管がんの抑制に必要である 2006年6月22日 Nature 441, 7096 doi: 10.1038/nature04846 SMAD4(ショウジョウバエのMADホモログ4)は、別名DPC4(膵がんでは欠失している)としても知られており、トランスフォーミング増殖因子-βシグナル伝達の中心となるメディエーターをコードする腫瘍抑制遺伝子である。SMAD4の生殖細胞系での変異は、家族性若年性ポリポーシス患者の半数以上で認められる。これは常染色体優性の疾患で、過誤腫性ポリープと消化管がんの疾病素因を特徴とする。家族性若年性ポリポーシス患者の肉眼的に正常にみえる非ポリープ性の結腸および胃の粘膜の下には、炎症性細胞が高密度に浸潤している。この顕著な間質構成要素は、上皮の微小環境内の細胞におけるSMAD4依存性シグナル伝達の欠如が、この症候群の腸腫瘍発生過程において重要な役割を担っていることを示唆している。本論文では、マウスでT細胞のSmad4依存性シグナル伝達を選択的に欠損させると、消化管全体に上皮がんが自然発生するが、一方、上皮特異的にSmad4遺伝子を欠失させてもがんは発生しないことを示す。結腸、直腸、十二指腸、胃、および口腔内に発生する腫瘍は、形質細胞が高密度に浸潤している間質が豊富である。Smad4-/- T細胞は、形質細胞や間質の増殖の既知のメディエーターであるインターロイキン(IL)-5、IL-6およびIL-13などのTH2型サイトカインを大量に産生する。この結果は、転帰としてのがんはその器官の細胞構成要素間の正常な情報伝達の欠如を反映するという考えを支持するものであり、また、Smad4欠損T細胞が近接する間質や上皮の細胞に最終的に誤った情報を伝えることを示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る