Letter クローン解析から明らかになった胸腺の皮質上皮および髄質上皮に共通する前駆細胞 2006年6月22日 Nature 441, 7096 doi: 10.1038/nature04813 胸腺は造血前駆細胞がT細胞へと発生するのに必須な環境を提供する。この環境は皮質と髄質という領域に分けられ、それぞれの領域にT細胞への発生と選別における連続的段階に重要な、機能的に異なる上皮細胞集団が存在する。しかしながら、皮質上皮細胞および髄質上皮細胞の間における発生の起源および系譜の関係については、いまだに議論の的となっている。本論文では、単離してそれぞれから選別した1個の胸腺上皮前駆細胞を蛍光タンパク質の一種であるEYFP(enhanced yellow fluorescent protein)で標識し、正常な胸腺構造内での発生能を検討したクローン解析について述べる。我々はこの手法を用い、皮質および髄質上皮細胞が二分化能をもつ前駆細胞を共に起源とし、胚形成では二胚葉性でなく単胚葉性の起源を有することの決定的な証拠を示す。我々が得た知見は、胸腺の発生における長年の論争を解決し、胸腺障害に対する細胞を主体とした治療戦略の開発、および成人の胸腺萎縮における機能回復の可能性に関して重要なものとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る