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掃除魚の相利共生でみられるイメージ評価と協力行動

Nature 441, 7096 doi: 10.1038/nature04755

ヒトは高度に社会的な動物であり、厚意に報いてくれる見込みのない見知らぬ他人の手助けをすることもよくある。進化論的には一見不可思議なこの問題は、利他行動者がよい社会的イメージという利得を得ることで説明できるかもしれない。この場合、イメージ評価を下す傍観者は「盗み見する者」(eavesdropper)ともよばれ、利他的行動を認め、将来、利他行動者を助ける可能性が高い。利他的行動に基づくこうした複雑な間接的相互利他性は、単純な間接的相互利他性の成立後に初めて進化するものかもしれない。単純な間接的相互利他性の成立には、2つの段階を必要とする。第一に、傍観者が協力的なパートナーを見つけるなどして集めた情報から傍観者自身が利得を得られる場合に、イメージ評価が進化する。第二に、傍観者との接触で利他行動者が利得を得る場合には、そのような傍観者が存在する際に利他行動が進化しうる。今回我々は、掃除魚の一種であるホンソメワケベラ(Labroides dimidiatus)でみられる掃除行動の相利関係において、上記の必要条件が2つとも満たされていることを示す実験的証拠を提示する。これらの掃除魚は、依頼者に協力してその外部寄生虫を取り除く場合と、依頼者を裏切ってその粘液を食べる場合がある。掃除魚にとっては依頼者に通常ついている外部寄生虫よりも粘液のほうが好みらしいので、依頼者が掃除魚の協力的奉仕を得るには、掃除魚にとって好みでないものを食べさせなければならない。我々は、傍観している依頼者が、次回には「協力レベルが未知」の掃除魚よりも「協力的」な掃除魚により長い時間を費やすことを見いだした。このことは、依頼者がイメージ評価行動をしていることを示している。さらに、訓練を施した掃除魚は、「イメージ評価をされない」状況よりも「イメージ評価をされる」状況でより協力的に採食することを学習することがわかった。

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