Letter

光格子中に存在する斥力で束縛された原子ペア

Nature 441, 7095 doi: 10.1038/nature04918

物理現象全般において、安定な複合体は通常、引力によってそれぞれの構成要素を互いに束縛し、エネルギーを下げるようにして形成される。自由空間中では、斥力は粒子を分離してしまう。しかし、周期ポテンシャルなどの構造化した環境下や、散逸がない場合には、斥力相互作用でも安定な複合体が形成されうる。本論文ではこのような風変わりな束縛状態の観察結果について報告する。この状態は、光格子中にある2個の極低温のルビジウム原子からできている。この斥力で束縛されたペアは、互いに衝突し合う条件下でも長い寿命をみせ、これは理論解析とも一致している。このペアの特徴は、特有の運動量分布と分光測定によっても判別できた。従来型の凝縮物質系では、強い崩壊チャネルが存在するため、このような斥力で束縛されたペアに類似するものは存在しない。今回の結果は、極低温ボソン原子の光格子物理とボーズ‐ハバード模型の間に明瞭な対応が存在することを例証したものとなる。この関係は、このような系を将来、強相関の凝縮物質の研究や量子情報の研究に適用するうえで極めて重要である。

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