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CRD-BPはβ-カテニンシグナル伝達に応答してβTrCP1およびc-mycのmRNAを安定化する

Nature 441, 7095 doi: 10.1038/nature04839

β-カテニン/Tcfシグナル伝達の持続的な活性化はヒトのがんの発生に関与するが、β-カテニン/Tcf経路が腫瘍形成を促進する機構は十分に解明されていない。メッセンジャーRNAの分解・合成は、遺伝子発現の調節において主要な機能を担っており、個体発生過程のシグナルと環境からの刺激に応じて変化する。mRNAの減少速度は、そのmRNAに存在するシス作用性エレメントと、RNA結合タンパク質などのトランス作用性因子によって規定される。本論文では、β-カテニンがF-boxタンパク質βTrCP1をコードするmRNAを安定化させることを示し、RNA結合タンパク質CRD-BP(coding region determinant-binding protein)がβ-カテニン/Tcf転写因子のこれまで知られていなかった標的分子であることを明らかにする。CRD-BPはβTrCP1mRNAの翻訳領域に結合する。CRD-BPの過剰発現によりβTrCP1mRNAが安定化され、βTrCP1の発現量が(細胞およびin vivoの両方において)上昇する。その結果、 Skp1-Cullin1-F-boxタンパク質(βTrCP)複合体(SCFβTrCP)から構成されるE3ユビキチンリガーゼの活性化と、その基質であるIκBおよびβ-カテニンの分解が促進される。CRD-BPは、大腸がん細胞において、β-カテニンシグナル伝達によるβTrCP1およびc-Mycの両方の誘導に必須である。β-カテニン/Tcfシグナル伝達の活性化を示すヒトの原発性大腸がんで認められるCRD-BPの高発現は、本腫瘍におけるβTrCP1の発現上昇、二量体の転写因子NF-κBの活性化およびアポトーシスの抑制にCRD-BPの誘導が関与することを示唆している。

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