Letter アリでは精子貯蔵が免疫上のコストをもたらす 2006年6月15日 Nature 441, 7095 doi: 10.1038/nature04698 アリの女王は、既知の昆虫の中で最も寿の部類に入る。女王アリは成虫期の早い時期に雄と交尾し、それから何年も後に死ぬまで、貯精器官の中に数百万の生きている精子を保持する。女王アリが再び交尾することはないので、女王の繁殖成功は究極的には精子に制限されているが、どんな選択圧が貯蔵精子量の上限を決定しているかはわかっていない。今回我々は、精子貯蔵にはコロニー創設期の免疫低減という重大なコストを伴うことを示す。ハキリアリの一種Atta colombicaの交尾を終えた新女王は、巣穴を完成させた後すぐに免疫応答を上方調節する。これはおそらく、身づくろいをしてくれるワーカーがまだいない時期に病原体により多くさらされることへの適応的反応である。しかしながら、コロニー創設から9日後の免疫応答は、貯精器官内の精子量と負の相関を示した。これは、短期の生存が長期の繁殖成功とトレードオフの関係にあることを示唆している。貯蔵精子を提供した雄の数が多いほど免疫応答が低かったことから、交尾もしくは遺伝的に異なる精液の貯蔵には特別なコストがかかるのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る