Letter

グリア由来のTNF-αを介したシナプススケーリング

Nature 440, 7087 doi: 10.1038/nature04671

一般的なシナプス可塑性には、別々の時間スケールで起こる2種類があり、発生中の神経回路の活動依存的な精細化に寄与していると考えられている。その1つは長期増強(LTP)や長期抑圧(LTD)で、個々のシナプスで相関するシナプス活動の特定のパターンに反応してその強度が迅速に変化するもの、もう1つは恒常状態でのシナプススケーリング(拡大縮小)で、細胞の電気的活動の長期的変化に反応してその細胞における全シナプスの強度が一様な増減をするものである。後者がないと、神経ネットワークは不安定となり、低効率で機能することになりかねない。LTPやLTDの機構については多くのことが知られているが、シナプススケーリングについてはほとんどわかっておらず、少なくともその一部がシナプス部位での受容体数の変化によることが知られている程度である。今回、長期的な活動阻害に反応したシナプススケーリングが、炎症誘発性サイトカインである腫瘍壊死因子-α(TNF-α)によって仲介されていることを明らかにする。また、野生型、およびTNF-αを欠くニューロンとグリアを混合した実験から、この型のシナプススケーリングに必要なTNF-αの放出源はグリアであることもわかった。グリアは、TNF-αのレベルを変化させることで、恒常状態での活動依存的なシナプス結合調節に参加していると考えられる。

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