Letter

南極の氷底湖は急速な流出によって連結している

Nature 440, 7087 doi: 10.1038/nature04660

多数の氷底湖の存在は、東南極氷床の下に広範囲にわたって水が存在していることの明確な証拠であるが、この氷塊の下の水文学的性質はほとんど解明されていない。こうした知識は、氷の流れ、氷底水の氷床端への移動、氷床の地形の発達、そして氷底湖中の生物生息地を解明するために必須である。本論文では、氷底湖からの急速な水の流出を表していると考えられる東南極中央における氷床表面隆起変化について報告する。今回の観測により、16か月の間に、1.8 km3の水が少なくとも2つの別の氷床下湖へと290 km以上移動したことがわかった。氷底湖を覆う氷床の粘性変形は流出に影響するが、このようなシステムに本来備わっている不安定性から、流出現象は氷底水排出によくみられる形態であろうと考えられる。ボストーク湖やコンコルディア湖のような大きな湖が圧力をかけているならば、相当量の流出水が海岸に達することが起こりうる。今回の観測結果は、氷底湖は滞留時間が長く循環が遅いという予想と相反するもので、氷床下の排水盆地全体から急激な水の流出が定期的に起こっていると思われる。湖の間を水が急速に移動することは、溶質や微生物の大規模な移転につながり、したがって、in situ調査による排水系の汚染は明らかに危険である。

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