Letter 層状マンガン酸化物におけるポーラロンおよび電子運動の2次元への閉じ込め 2006年4月20日 Nature 440, 7087 doi: 10.1038/nature04650 最もよく知られている高温超伝導体をはじめとする層状遷移金属酸化物の顕著な特徴は、たとえバルクの3次元単結晶に調製しても、極めて異方性の高い電気特性や光学特性をもつ(例えば、層と垂直には絶縁性を、層内部では金属性を示す)ことで、これが「閉じ込め」現象である。閉じ込めは、固体に関する従来の理論とは異なる概念で、層内部の磁気相互作用と電子‐格子相互作用が原因となって起こることが認められており、電子が層間を移動しようとすると、この相互作用を脱するのにかなりのエネルギーを費やさなければならない。これに伴うエネルギーギャップ、あるいは「擬ギャップ」は、電荷がこの面と垂直に移動する実験で特に明瞭になり、それが最も顕著に現れるのは走査型トンネル顕微鏡法と偏光赤外分光法の場合である。本論文では、これらと同じ実験ツールを使い、より極端な閉じ込め効果と擬ギャップ効果をみせるもう1つの遷移金属酸化物群、層状マンガン酸化物La2-xSr1+2xMn2O7が存在することを示す。得られたデータにより、電荷キャリアはポーラロン(面内部の格子テクスチャーとスピンテクスチャー)を伴っているため、キャリアをこの面から真空トンネリングを通して従来型金属のチップ中へ取り出すのは、この物質内部のMn高濃度層間をキャリアが垂直に動くのと同じくらいむずかしいことが定量的に実証された。 Full Text PDF 目次へ戻る