Letter

多面発現遺伝子におけるシス調節領域の変化を介して繰り返された形態進化

Nature 440, 7087 doi: 10.1038/nature04597

形態の類似性の独立進化は広くみられる。体色などの単純な形質に関しては、同一遺伝子内に起こるいくつかの変異によって次々と移り変わっていくことが一般的であるのかもしれない。しかし、より複雑な形質に関しては、関与しうる遺伝的経路がさらに多数である可能性がある。形態類似性が独立に生じる際に働く分子機構や、そうした類似性が特定の遺伝的経路をとるためにかかる制約がどの程度強いのかはほとんどわかっていない。今回我々は、ショウジョウバエ分岐群で、雄の求愛ディスプレーにかかわる翅の色素沈着パターンが、獲得と消失を何度も繰り返してきたことを示す。我々が解析した例(獲得2回、消失2回)のそれぞれに、多面発現性の色素沈着遺伝子であるyellowの調節変化がかかわっている。消失では、同一のシス調節エレメント(CRE)で不活性化が並行して起こっており、2つの同胞種間で1つのエレメントが機能的に分岐したことを説明するのに十分な少数ヌクレオチドの変化を伴っていた。意外にも、翅の斑紋の独立した2回の獲得は、異なる祖先CREの取り込み(co-option)によるものだった。これらの研究結果は、多面発現遺伝子のモジュールであるCREの機能的多様化が、進化の過程で現れる新奇性や、形態類似性の独立進化にいかに寄与しているかをよく示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度