Letter 第一原理からの協力戦略の進化 2006年4月20日 Nature 440, 7087 doi: 10.1038/nature04470 協力行動の進化を理解することは、現代の生物学・社会科学における最大の難問の1つである。この謎の大まかな答えは、血縁選択・互恵主義・マルチレベル選択・文化的群選択といった理論の発展により得られつつある。提案された説明の論理的一貫性を調べるために用いられる主要な概念ツールは、解析モデルやエージェントベース・シミュレーションを手法とするゲーム理論である。ゲーム理論によるアプローチは明確な結果をもたらすが、通常は利得供与の構造を単純にして、取りうる戦略の種類を少なく想定している。今回我々は、取りうる戦略の幅をかなり広げたコンピューターモデルを開発することで、より厳密な理論検証を計画した。我々のモデルでは、エージェント(仮想個体)に一定数の受容器、一連の基本動作、そして受容器と動作をつなぐ神経網をもたせる。行動戦略は事前に決定されておらず、代わりに進化の過程で基本動作から戦略が構築・再構築される。シミュレーションの結果、よく知られたハト・タカ・ブルジョア戦略だけでなく、 協力攻撃・協力防御という2つの新規な戦略が現れた。我々の結果は、エージェントが他者の遺伝する外部マーカーを知覚することができるならば、上記のような最小限の仮定条件下でも協力戦略が進化しうることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る