Letter

ベガは高速で回転している星である

Nature 440, 7086 doi: 10.1038/nature04661

ベガは北天で2番目に明るい星であり、基本的なスペクトル型の標準天体として用いられる。そのスペクトルは、水素の広がった線が大半を占めているものの、重元素のより狭い線はこの星が低速から中程度の速度で回転していることを示唆している。そしてその可視光スペクトルを地上で較正した結果を(大気モデルを使って)紫外域や近赤外域に外挿してもよいことが確実なので、こうした領域での基本的な光度測定の較正基準としても用いられている。しかし、ベガがほかの同じような星に比べて非常に明るく、異型の吸収線のプロファイルをもっていることが問題で、高速回転する変形したこの星が極方向から見えているのではないかと一部では考えられてきた。本論文では、光学干渉計による観測について報告し、ベガが自己破壊速度の93パーセントにあたる速度で回転する、わずかにずれた明るい極軸を持ち、そのために輝度分布が非対称であることを示す。この結果は、異常な明るさと吸収線の形の特異性を説明するとともに、可視光に比べると近赤外放射が超過するという予測につながるが、これは観測結果と一致している。ベガの表面全体にわたって予測される大きな温度差は、組成決定に疑問を投げかけ、ベガの年齢についての不確実性を高めるもので、その残骸円盤がこれまで考えられていたよりもかなり古い可能性を示している。

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