Letter 脊椎動物細胞における有糸分裂脱出過程の可逆性 2006年4月13日 Nature 440, 7086 doi: 10.1038/nature04652 細胞周期の制御についての主要な仮説の1つでは、細胞周期の進行段階の一部では、方向性が調節されたタンパク質分解によって制限されていると考えられている。今回我々は、有糸分裂からの脱出過程について、この仮説を検証した。この過程は、サイクリン依存性キナーゼ1(Cdk1)活性化因子であるサイクリンBの分解によって制御されている。有糸分裂中の細胞にCdk1の化学的阻害剤を与えると、細胞質分裂などの通常の有糸分裂終了段階にみられる現象が起こり、サイクリンBも分解される。しかし染色分体は分離されずに、クロマチンが中央体に捕捉されたままになる。プロテアソーム阻害剤でサイクリンBの分解を阻害したり、分解不能なサイクリンBを発現させたりしても、Cdk阻害剤は有糸分裂の終了と細胞質分裂を誘導する。しかし、有糸分裂からの脱出後にサイクリンB分解が阻害された細胞からCdk1阻害剤を洗浄除去すると、細胞はM期へと逆戻りする。この逆戻りは、染色体の再凝縮、核膜の分解、微小管からの紡錘体の構築などの特徴をもち、多くの場合に中央体の分解、分裂溝の再形成、中期板への染色体の再配列が起こる。これらの知見は、プロテアソームに依存したサイクリンBの分解がM期からG1期への移行の方向性を決めていることを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る