Letter

高効率白色有機発光デバイスのための一重項および三重項励起子の操作

Nature 440, 7086 doi: 10.1038/nature04645

米国では建物における電力消費の22パーセントが照明によるものであり、そのうち40パーセントは効率の悪い(〜15 lmW-1)白熱灯によって消費されている。そして、白色エレクトロルミネッセント有機発光デバイスは白熱光源よりも著しく高い効率と低コスト高スループットの製造をあわせて実現できる可能性があるため、その使用に対する関心が高まっている。こうしたデバイスの特性としてこれまで報告された中で最も優れたものは、内部量子効率100パーセントの可能性をもつもので、全燐光体ドープデバイス(all-phosphor-doped device)において実現されている。このデバイスでは、燐光体分子は電荷注入時に生成する結合電子-正孔対の4分の3に相当する三重項励起子を使っている。三重項励起子は、使われない場合には(残りの一重項励起子と異なり)非発光再結合を起こす。今回我々は、これとは別のデバイス・コンセプトを紹介する。これは、1つの燐光ドーパントの代わりに青色蛍光分子を利用し、これと緑色および赤色燐光ドーパントを組み合わせて、内部量子効率が1となる可能性を維持しながらも、高い電力効率と安定した色バランスを実現するというものである。このデバイス内の2つの異なるエネルギー移動モードは、ほぼすべての三重項エネルギーを燐光ドーパントに伝達し、一重項エネルギーを青色蛍光ドーパントだけにとどめる。さらに、青色蛍光団への交換エネルギー損失をなくすことによって、全燐光体デバイスと比較して電力効率をおよそ20パーセント向上できる。我々のデバイスは、総外部量子効率のピークが18.7±0.5パーセント、電力効率のピークが37.6±0.6 lmW-1であり、500cdm-2の高輝度では、これらの値がそれぞれ18.4±0.5パーセント、23.8±0.5 lmW-1にまで減少するという性能を示し、白熱光源に挑むものである。

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