Letter

Nckアダプタータンパク質はネフリンを腎臓足細胞のアクチン細胞骨格と結合させる

Nature 440, 7085 doi: 10.1038/nature04662

腎臓の糸球体濾過障壁の一部は、スリット膜とよばれる特殊な細胞間結合によって形成されている。スリット膜は隣接する腎臓上皮細胞(足細胞)のアクチンに支持される足突起どうしをつないでいる。ネフリン(NPHS1によってコードされる)など、いくつかのスリット膜タンパク質に影響を及ぼす突然変異では、濾過障壁の崩壊とアクチン細胞骨格の再構築を原因とする腎疾患が起こるが、その分子基盤は明らかにされていない。本論文では、ネフリンがSrc homology 2(SH2)/SH3ドメインを含むNckアダプタータンパク質と選択的に結合し、それが次に足細胞の細胞骨格を制御することをin vivoで示す。ネフリンの細胞質側末端には、Srcファミリーキナーゼによってリン酸化されると、Nck SH2ドメインに選択的に結合するモチーフを生成する複数のYDxV部位が存在する。我々は、このNck-ネフリン間の相互作用がネフリンに依存的なアクチン再編成に必要であることを示す。トランスジェニックマウスで足細胞のNckを選択的に欠損させると、足突起の形成に異常が生じ、先天性のネフローゼ症候群が発症する。以上の結果から、ネフリンがホスホチロシンによる相互作用を介してNckアダプターに結合し、それにより足細胞を裏打ちするアクチン細胞骨格に連結するという生理学的なシグナル伝達経路の存在が明らかになった。したがって、構造が単純で広く発現しているSH2/SH3アダプタータンパク質が、in vivoでの特殊な細胞形態の形成を指示していると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度