Letter 北極域の雲における長波長放射率の、中緯度起源の汚染物質に関連した増加 2006年4月6日 Nature 440, 7085 doi: 10.1038/nature04636 北極域の気候が人為起源の温室効果ガスの影響を特に受けやすいこと、また、北極域の地表面温度が今後100年間を通して全球平均温度の約2倍の速度で上昇するとの予測は、たいていの気候モデルに共通する見解である。温室効果ガスによる熱放射に対する北極域の地表面温度の反応は、北半球の総観的な気象と局所的な放射過程によって変化する。エアロゾルは、雲の放射特性を変化させることで、地表面温度の変化要因となっている可能性がある。本論文では、以前の研究で示唆されていた、人為起源エアロゾルが北極域の雲の放射と地表面温度に与える影響を評価した。アラスカ州バロウ近郊で得られたエアロゾルと放射の4年間にわたる地上観測結果を用いて、薄い水雲と汚染物質が共存している場所では、もやの濃度が上昇する結果、雲の長波長の放射率が増加していることを示す。これによって、曇天下の地表面は3.3〜5.2 Wm-2または1〜1.6℃暖められると推定される。北極域の気候は雲の長波長の放射と密接に関連しているが、気候システムに内在するフィードバック機構は複雑であり、現実の気候に対するこうした要因の影響の評価は今後の課題である。 Full Text PDF 目次へ戻る