Letter ショウジョウバエの非定型ミオシンが内臓器官の左右性を逆転させる 2006年4月6日 Nature 440, 7085 doi: 10.1038/nature04625 動物の内臓は左右非対称性なことが多い。ショウジョウバエの前後軸、背腹軸の形成は解明が進んでいるが、左右非対称性については広範な研究は行われていない。今回我々は、生存および生殖可能なMyo31DF変異のホモ接合体では、胚の消化管、成虫の消化管と精巣の左右性が逆転する(ランダム化ではない)ことを発見した。Myo31DFがコードするのは非定型ミオシンMyoIA(哺乳類ではMyoIDとよばれる)で、アクチン上を動くモータータンパク質としては左右のパターン形成にかかわることが示された初めての例である。胚が正常な左右性を生じるには、後腸上皮にMyo31DFが必要なことがわかった。後腸上皮のアクチンフィラメントを破壊すると胚の消化管の左右性がランダムになることから、Myo31DFの機能にアクチン細胞骨格が必要なことが示唆される。これと符合して、Myo31DFがアクチン細胞骨格と同じ部位に局在することもわかった。別のI型ミオシンであるMyo61Fを過剰に発現させると胚の消化管の左右性が逆転し、これをノックダウンしても左右のパターン形成に異常が起こる。これら2つの非定型I型ミオシンは、左右のパターン形成において拮抗的に働いている可能性がある。アクチン細胞骨格とI型ミオシンタンパク質は、無脊椎動物の左右非対称性の発生に極めて重要な役割を果たしていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る