Letter エネルギー学から明らかになった、真社会性哺乳類でみられる生理的に異なるカースト 2006年4月6日 Nature 440, 7085 doi: 10.1038/nature04578 真社会性は、形態的に異なる「カースト」間での労働分業が特徴であり、哺乳類ではアフリカに分布するデバネズミ科の2種でのみ、その存在が確認されている。ダマラランドデバネズミ (Cryptomys damarensis)では、コロニーの労働階級は、「働き者ワーカー」と「怠け者ワーカー」の2つのカーストに分かれている。働き者ワーカー は年間を通じて活動的で、コロニーにおける総労働量の95%以上を担っている。一方で怠け者ワーカーは総労働量の5%以下しか担っていない。コロニーからの分散は、水分により土壌が柔らかくなる比較的まれな期間に限られており、怠け者ワーカーが分散者としての役目を果たしている可能性が事例証拠から示唆されている。今回我々は、怠け者ワーカーと女王が降雨後に1日当たりのエネルギー消費量を増加させているのに対し、働き者ワーカーではそうした増加が起こらないことを示す。怠け者ワーカーは働き者ワーカーに比べて太ってもいる。怠け者ワーカーは生理的に異なる分散要員カーストを構成しており、そのカースト員はコロニー内労働や女王の繁殖を手伝う代わりに、環境条件が整った際の分散・繁殖に備えて体内にエネルギーを蓄えていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る