Letter

二酸化炭素により引き起こされた地球深部の上部マントル内の融解

Nature 440, 7084 doi: 10.1038/nature04612

中央海嶺の真下の部分融解の始まりは、マントルから地殻に至る液相濃集度の高い元素の循環、CO2、HeやArなどの主要な揮発成分のフラックスと上部マントルのレオロジー特性を左右している。地球物理学的な観測結果は、海嶺直下の融解がほぼ300 kmの深さで始まることを示すが、この融解の原因はわかっていない。本論文では、3 〜10 GPaの炭酸ガスで飽和したカンラン岩の固相線を決定し、海嶺下の融解は330 km までの深さで起こる可能性があり、0.03〜0.3 %のカーボナタイトの液体を生成することを示す。このような融解によって、鉱物の基質の再結晶化と再配列が促進され、地球物理学的な観測結果を説明できると思われる。海洋マントル内深部から初期のカーボナタイト融解物が除去されることによって、交代作用性の流体の豊富な供給源や、液相濃集度の高い元素が枯渇し主要な母娘元素が分別された膨大なマントル残存物が生成される。炭素、ヘリウム、アルゴンや熱を生成する液相濃集度の高い元素(ウラン、トリウム、カリウムなど)は上部マントルのおよそ200〜330 kmの深さから効率よく取り除かれていると考えられる。

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