Letter イネのケイ素輸送体 2006年3月30日 Nature 440, 7084 doi: 10.1038/nature04590 ケイ素は植物の生長に有益であり、倒伏を防ぐとともに、害虫や病害などのストレスへの抵抗性を高めることによって植物が非生物的ストレスおよび生物的ストレスを克服するのに寄与している。ケイ素はイネの持続的な高生産に不可欠な元素であるが、その取り込みに関する分子機構は知られていない。本論文に示す遺伝子Low silicon rice 1(Lsi1)は、典型的なケイ素集積植物であるイネでケイ素の集積を制御している。この遺伝子はアクアポリンファミリーに属し、根で構成的に発現している。Lsi1はカスパリー線が存在する部位である、外皮および内皮細胞の遠心側の細胞膜に局在している。Lsi1の発現を抑制するとケイ素の取り込み量が減少した。さらに、アフリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞でLsi1を発現させると、ケイ素に特異的な輸送活性が示された。ケイ素輸送体の同定は、植物のケイ素取り込み機構に関する手がかりをもたらすとともに、根のケイ素取り込み能を遺伝子レベルで改変することでさまざまなストレスに高い抵抗性を示す作物を生み出すための新たな方法につながる。 Full Text PDF 目次へ戻る