Letter

固体ナノ構造のab initio決定

Nature 440, 7084 doi: 10.1038/nature04556

単結晶を用いて原子構造の特性評価ができるようになってから、材料科学と分子生物学は急速に進歩した。単結晶が得られなければ、構造の決定はより困難なものとなる。ナノテクノロジーにおいて関心の高い無機複合材料の多くは周期的長距離秩序をもたないので、結晶学的方法ではそれらの構造を解明できない。今回我々は、回折データと距離幾何学法を併用することによって、このようなナノ構造材料のab initio構造解明が可能であることを実証する。オングストローム以下の分解能の精密な距離データは、原子対分布関数(PDF)から実験的に得られる。現在のPDF解析では妥当な初期構造予測からの構造微調整が行われるが、一意的な構造解を得るのに十分な情報がPDFに存在するかどうかは演繹的には明らかでない。今回我々は、さまざまなクラスターについて精密な非割当原子間距離から構造の再構成を行う2つのアルゴリズムを提示し、その妥当性を立証した。次に、そのアルゴリズムを応用して、PDFデータのみからC60の一意的なab initio構造解を見いだした。今回の結果は、結晶学的方法でうまくいかない場合でも、ナノ材料のオングストローム以下の分解能の構造解を得る方法をもたらすものである。

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