Letter 知能と小児期・青年期の皮質発達 2006年3月30日 Nature 440, 7084 doi: 10.1038/nature04513 学習の3つの基本的要素である読み・書き・計算のうちの1つが達者な子どもは、ほかのことにも優れ、知的能力を必要とするさまざまな活動に長けた大人に成長することが多い。こうした一般的知能に関する比較的安定な個人の形質と相関する神経解剖学的性質を決めるのはむずかしいことがわかっており、特に成長が速い小児期や青年期の脳については困難であった。本論文では、大脳皮質の厚さそのものではなく、厚さの変化の軌跡が知的能力のレベルと最もよく相関することを示す。成長の時間軸に沿って追跡すると、知能と皮質の厚さの関係は幼児期には主に負の相関を示すが、小児期以降に著しい変化をみせて正の相関を示すようになる。さらに、知能レベルは皮質の発達の軌跡と関連しており、知能の成熟に関連するとされる前頭葉における皮質発達の軌跡と主に相関していた。また、より知能の高い子どもでは特に皮質の可塑性が高く、皮質の増大がはじめは加速度的に進んで長く持続し、その結果、同じく活発な皮質の薄層化が青年期早期までに起こった。この研究は、子どもの知能の神経解剖学的表現は変化の動態にあることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る