Article 過去8回の氷期サイクルにわたる南大洋の海氷面積、生産性と鉄フラックス 2006年3月23日 Nature 440, 7083 doi: 10.1038/nature04614 南大洋の海氷とダストフラックスは最終氷期に著しく増大した。この地域における海洋の生産性について、古記録から得られる証拠には矛盾があるが、1回の氷期サイクルを越えるデータは乏しかった。本論文では、ドームCの南極氷床コアから得られた、最近8回の氷期サイクルにおける、74万年にわたる連続した化学的な代理指標のデータを示す。これらのデータは、インド洋冬季の海氷面積、南大洋の生物生産性、パタゴニアの気候条件を示唆している。数千年の時間スケールでは、最大海氷面積は南極の気温と密接に結びついているが、それよりも短い時間スケールでは関連度はそれほど高くないことがわかった。極前線の南方での生物起源の硫化ジメチルの放出量は、気候と共に変化することはほとんどなかったらしく、硫黄化合物が気候調節に対して能動的な役割を果たさなかったと考えられる。氷期と間氷期では鉄の堆積に大きな相違がみられるが、これはパタゴニアの気候条件が大きく変化したことを反映していると思われる。氷期の終了時には、パタゴニアの気候条件の変化は海氷の縮小よりも先に起こったらしく、氷期の終了時におけるさまざまなCO2増加相が複合的なメカニズムによってもたらされたことを示している。また、44万年前に起こったとみられる南極の気温変動の振幅変化をもたらした可能性がある、内在的な気候フィードバックの変化は見いだされなかった。 Full Text PDF 目次へ戻る